便利屋が送迎をするのは違法行為?送迎に必要な資格とやってはいけない注意点を解説

便利屋トラブル解決
・便利屋になってお客様を病院などに送迎したい
・外出に困っている高齢者の力になりたい
・バスやタクシー代わりとして便利屋は参入できないの?

高齢化社会や地域の過疎化、外国人観光客の増加に伴い、「便利屋になってお客様を車で送迎すれば、お金を稼げないか?」と考えたことはないでしょうか?

実際にバスやタクシー業界では、人材不足が深刻化しており、それぞれの企業があらゆる手段を講じて人材確保に努めています。

そこに道も詳しい便利屋が、送迎などに参入すれば地域に貢献できると考える方も多いようです。

ただし、法律問題から簡単にはいかないようです。そこで今回は、便利屋が行う送迎は違法なのか?についてや注意点を解説していきます。

これから便利屋で開業を目指す方は仕事についてのヒントになりますので、ぜひご覧ください。

便利屋が送迎するのは違法?

送迎

結論からして便利屋を開業してお客様を送迎するのは違法になります。

なぜなら、第二種免許といった国からの許可が必要だからです。

厳密にいうと、お客様を送迎してその対価としてお金をいただく行為は法律違反になります。

しかし便利屋はさまざな業務を請け負うため、送迎が目的ではなく、場合によってはお客様を車に同乗させることもあるでしょう。

いずれにせよ、便利屋にかかわらず、許可がない人がお客様を送迎してお金をいただくことは法律で禁止されています。

法律で禁止されている白タク行為とは?
ナンバープレート

画像出典:国土交通省

便利屋に限らず、お客様を送迎してお金を受け取る行為は許可が必要な違法行為です。

違法となる通称「白タク」行為とは、その名の通り車のナンバーが白い状態で送迎を行うことを指します。

許可がおりた車両にはグリーンのナンバープレートが与えられ、一目でわかるようになっています。

ただしホテルや民宿などの送迎は、送迎をしてお客からお金を取ることを目的にしていないため、車のナンバーが白であることが多いです。

一方タクシーやバスなどは、目的地まで送迎をしてお客から運賃をいただく業務のため、ナンバープレートは緑になります。

「送迎」といっても目的によってナンバープレートの色が異なるのです。

便利屋が白タク行為をした際の罰則は?

白タク行為が発覚した際の罰則は「3年以下の懲役または300万円以下の罰金」に科されます。罰則の対象となるのは、運転者のみで同乗したお客様は対象になりません。

このように白タク行為は、重い罰則の対象となる違法行為です。お金の面でマイナスになることはもちろん、社会的信用にもかかわるため白タク行為は十分気をつけましょう。

お客様から頼られても事業を守るため断ることも必要

便利屋で活動していると、時には困ったお客様から送迎を依頼されることもあるかもしれません。

たとえ1回のみであっても違法行為にはかわりなく、周囲に知れ渡ると「違法なことをしている便利屋」として今後の事業に悪影響を及ぼすでしょう。

頼りになる便利屋は、どのようなこともお願いしたいとお客様は思うものです。とても嬉しいことですが、事業を存続するために無理なお願いは慎重に断ることも大切です。

お客様は、依頼のついでやタクシー代を浮かせたいなどさまざまな事情を抱えているでしょう。しかし、その場の利益や特定のお客様を優先すると、後々大きな代償を背負う可能性もあるため、長い目で物事を判断してください。

送迎サービスが必要とされているわけ

送迎サービスはあらゆるところで必要とされています。届け出がなければ参入できませんが、お客様のお悩みを把握しておくことで便利屋としての仕事のヒントになるかもしれません。

ここからは、送迎サービスが必要とされているわけについて解説していきます。

田舎住まいの方に重宝される

送迎サービスは、田舎住まいの高齢者や妊婦さんなど公共交通機関が発達していない地域で重宝されます。

買い物をしたいときや駅まで送ってほしいなど、ちょっとした距離を移動したいときに送迎サービスは役立つのです。また、お客様と顔馴染みになれば定期的に依頼される可能性もあります。

バスやタクシーが少ない田舎では、移動手段に不便を感じている方が多いので送迎サービスは重宝されるでしょう。

ドライバー不足の解消

高齢化に伴い、タクシードライバーやバスの運転手などドライバー不足は深刻な問題です。
外国人観光客の増加によりドライバー不足はさらに拍車をかけており、やむなくバスの運行本数を減らす地域も増えています。

このように全体的にドライバーが深刻化している中、送迎サービスが参入することでドライバーを補うことができるのです。

病院に通う人には助かるサービス

定期的に病院通いする人には送迎サービスは非常に助かるでしょう。

大きな病院などは、駅までの送迎を行っていることもありますが、お年寄りや持病を抱えている方にとっては駅に出るまでが大変と感じるものです。

また、毎回タクシーを呼ぶ手間がかかることや、診察時間に合わせてタイミングよくタクシーが手配できるとも限りません。

そのため、自宅から病院までの送迎は、体の不自由な方や高齢者にとってありがたいサービスと言えるでしょう。

送迎サービスをする際の注意点

送迎車

送迎サービスは需要が多く重宝される仕事ですが、便利屋が無許可で送迎を行うことはできません。ここからは、送迎サービスの注意点について解説していきます。

有償で送迎するなら第二種免許が必要

送迎サービスを展開する場合は、第二種免許の資格が必要です。取得には一種運転免許の取得から3年以上経過しており、運転技術の試験や学科試験では「旅客運送」の知識がプラスされます。

資格取得にはすぐに試験を受ける一発試験と、普通免許と同じように教習所に通い取得する方法があります。

いずれにせよ、資格取得には時間とお金がかかるため、便利屋として必要になるのか冷静に考えて判断しましょう。

送迎ではなく買い物代行などにシフトする

送迎を依頼される背景には、買い物をしたいなどの依頼もあります。そのため、送迎ではなく、頼まれた物を買いに行く「買い物代行」として依頼を受ける方がおすすめです。

ネットショッピングも当たり前になりましたが、スマホの操作方法がわからなかったり、自分で買い物に行ったら運ぶのが大変だったりすることもあるでしょう。

便利屋はさまざまな仕事を受けられるのが最大の武器です。送迎ではなく他の方法でお客様に満足してもらうことを考えてみましょう。

送迎依頼を買い物代行へ提案したり、そのほかの仕事を巻き取ったりすることは、経験豊富な先輩便利屋に聞いてみるのもおすすめです。

事故を起こしたら責任を強く問われる

「送迎をしてもお金を貰わなければ違法ではない」と考えて、お客様を目的地に連れて行くケースもあるかもしれません。

ただし、万が一事故が起きてお客様に大きなケガを負わせることがあれば、便利屋としての責任は重くのしかかるでしょう。

貨物の資格を活かして引越し業務を行うことは便利屋としてよくありますが、お客様を乗せるとなると違ったリスクがあります。そのため、「お金を貰わなければ良い」といったことではなく、お客様を乗せることはリスクが高いことも考えておくことが重要です。

便利屋が持っておくべきおすすめの資格については以下もご覧ください。

白タクとライドシェアは異なる

「白タクではなくライドシェアなら大丈夫なの?」と疑問に思う便利屋もいるかもしれません。白タクとライドシェアの違いは以下の通りです。

ライドシェア 白タク
料金形態 ・専用のプラットフォームで決済するので、ドライバーとの料金やりとりがない ・運転手とやりとりする
ドライバー ・運転手の氏名や基本情報が確認できる

・問題行動があったドライバーはプラットフォームから排除される

・氏名はわかってもそれ以上の情報はお客に伝えられない

・問題行動があってもそのまま運転を続けられる

運転技術 ・事故があった場合は利用停止になる

・過去の事故歴が多い人はプラットフォームを利用できない

・運転技術の保証がない
便利屋は運転代行できる?

お客様の事情で車の運転ができない場合、代わりに車を運転する運転代行ですが、結論からいうと便利屋はできません。

運転代行も公安委員会からの認定が必要となります。運転代行は、通常お客様の車を運転するスタッフのほかに、お客様を目的地まで送迎する第二種免許を持ったスタッフも必要です。

運転代行と第二種免許の資格が必要となるため、便利屋が行うとなるとそれぞれのスタッフが資格を保有している必要があります。

便利屋が送迎をするなら資格がないと違法になる

違法行為

今回は便利屋が行う送迎サービスについて解説しました。結論として便利屋がお客様を送迎してお金を貰うことは違法行為となります。

便利屋はお客様との信頼関係も重要なお仕事です。信頼関係が成り立ってくると「ちょっとそこまで送って欲しい」といった依頼もあるかもしれません。

そのような場合は、お金のやりとり以前に、違法行為になってしまうことをお客様に説明することが求められます。

また、一度でも無資格で送迎を行うと噂が広まり、結果的に違法行為が明るみに出ることもあるでしょう。そうなると便利屋としての評判が下がり、事業を続けることも危うくなります。

送迎で困っているお客様を目の前にすると大変心苦しいですが、お客様と便利屋どちらにとっても喜びがある仕事が大切です。

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