便利屋開業をするほとんどの方の悩みになるのが料金設定です。
ご自身で便利屋開業すると、料金設定も決めないといけません。
開業したばかりの頃は作業相場もわからないため、現場での見積もりに困ってしまうでしょう。
そこで今回は、多くの便利屋が実践している作業料金の設定について紹介します。
最後まで読んでいただけると、適切な値付けができるので失敗を防げるようになりますよ。
なぜ料金設定が重要なのか?
料金設定が重要な理由としては「収益の確保」や「信頼性の維持」といったことが挙げられます。
収益の確保とは、作業に見合った料金をいただかないと事業が赤字になる可能性を指します。
また「信頼性の維持」とは、お客さまに見積もりをだす際、不透明な見積もりになりやすいことを指します。
「なぜこの金額になるのか?」といった合理的な説明ができないと、お客さまから不信感を抱かれ契約につながらないこともあるでしょう。
このように料金設定が重要とされる理由としては、事業の存続やお客さまへの安心感に影響することを意味するのです。
便利屋の基本料金設定は主に2種類
便利屋がお客さまのもとで作業するにあたり、「基本料金」と「その他追加費用」がかかることが一般的です。作業で必ず発生する基本料金は2種類にわけられます。
・時間料金:1時間作業することによる費用
以下で詳しく解説していきます。
仕事単位の料金とは補修や部屋のクリーニング、害虫駆除や草刈りなど決められた作業を完了させることで得られる作業料金です。
与えられた日数や時間に関係なく、作業が早く終わればその分の報酬が受け取れるため、作業次第では1日の報酬が大きくなる可能性があります。
ただし、早く終わらせたい一心で作業が雑になると、お客さまの信頼を損なう可能性があるので注意しましょう。
時間単位とは、1時間稼働した分の時給を指します。
荷物の搬入を少しだけ手伝って欲しいといった依頼や、留守中にペットの世話をして欲しいなど、スポット作業などに適用されます。
時間単位の仕事は、時給に加えスタッフの人数により料金が加算されるので、大掛かりな作業ほど収益になりやすい傾向にあるでしょう。
1時間あたりの時給算出については、作業の難易度や過酷さ、その他内容によって異なるので経験も必要となります。
作業料金を算出する際は、使用する材料や交通費も含めた見積もりをだしましょう。具体例としては以下の通りです。
・資材費:電球やドアノブ交換など資材購入費
・交通費:出張費や買い物代行の交通費
・車両費:クレーン車などの特殊車両のレンタル費
・養生費:引越し作業で必要な養生費
・機械使用量:草刈り・チェーンソーなど
・特殊作業:高所作業・危険作業など
作業によっては交換部品となる資材費や、引越し作業で住宅内の壁を守る養生費、不用品処分にかかる処分費なども考慮しなければいけません。また、通常の出張費のほかに、遠方に出向く場合はそれに応じた交通費の算出も必要になるでしょう。
便利屋は作業に応じてさまざまな道具や車両が必要となることもあります。作業を無事に完了させるには、基本料金以外にどのような料金がかかるのかを、お客さまに事前に伝える必要があるのです。
便利屋の一般的な料金相場
便利屋をはじめたら、具体的にどのぐらいの費用を見積もりにしていいのかわかりません。なぜなら、便利屋に決まった料金相場がないからです。
技術の習熟度や作業の難易度は対応する便利屋によって異なるため、一概に料金の決まりはありません。ただ、お客さまも料金相場について知らないことをいいことに、高額請求をする便利屋がいるのも事実です。
作業料金の設定は、便利屋の事業存続やお客さまとの信頼関係にも関わるので難しいことです。以下では、便利屋の一般的な料金相場をご紹介します。参考にしていただき、作業に活用してみてください。
・通常作業:3,000円〜5,000円(1時間)
・専門作業:5,000円〜10,000円(1時間)
・深夜・早朝作業:通常作業プラス50%(1時間)
・夜間対応:通常作業プラス20%(1時間)
・粗大ゴミ回収:5,500円〜
・浴槽のカビ取り:13,000円〜
・エアコン撤去:5,500円〜
・家具移動:4,400円〜
・1,800円〜2,500円(範囲外は5kmごとに1,100円追加など)
追加料金とは、上記で解説したケースに当てはまらない場合に発生する料金です。追加料金が発生する主な内訳は以下の通りです。
・危険が伴う場所での作業:高所作業や傾斜がある現場
・重機が必要な大掛かりな作業:抜根作業や大型家電の搬入や搬出
上記の作業は通常作業とは異なるため、追加料金を上乗せするケースが多くあります。
便利屋の作業料金の決め方
便利屋料金の相場がわかったところで、実際すべての現場に当てはまるわけではありません。
開業する地域や便利屋を必要とされている需要、仕事を複数依頼された時の見積もりなどそれぞれの料金設定が異なります。
以下では、便利屋開業した際の料金の決め方について解説していきます。
開業する地域の便利屋は、どのくらい料金設定をしているのかといった調査もおすすめです。
インターネットで競合が打ちだしている料金表を調べたり、実際に利用して確認してみたりも良いでしょう。
また、依頼件数が多い業務は料金相場が高いこともあるため、開業する地域で需要がある仕事を調べておくのもおすすめです。近くに強い競合がいる場合は、ある程度料金を合わせることも必要かもしれません。
競合サービス内容を調査し、自分が提供できるサービスとの差別化ポイントを明確にしましょう。
他社にはない特殊な技術を持っていたり、迅速な対応ができたりするならば、それらをアピールポイントにして料金設定に取り入れても良いでしょう。
提供するサービスに付加価値がつくほど、料金設定は上がる傾向にあります。
豊富な技術経験や専門的スキルを持っている場合、一般的な便利屋よりも高めの料金設定にできます。
また、今までの実績や評価がすでにある場合、信頼性をアピールして適正な料金にできるでしょう。
便利屋の仕事によっては、技術職になり得ることもあるため、今までのスキルと実績がある場合は積極的にアピールして料金設定に取り入れてみましょう。
料金設定で失敗しないためのアドバイス
料金設定はこれといった正解がないため、お客さまに見積もりを見せる際は、ちょっとした緊張感もあります。
お金が発生する以上お客さまも真剣なので、見積もりが失敗するとトラブルにつながります。ここからは料金設定で失敗を避けるためのアドバイスを見ていきましょう。
料金設定で気をつけたいことに、問い合わせの段階で料金を確定させないことがあります。
電話問い合わせで、具体的な料金を聞いてくるお客さまもいらっしゃいます。現場を見ずに作業料金を安易に決めてしまうと、作業量と金額が合わないこともあるので注意が必要です。
お客さまの中には料金だけを確認したい場合もあるので、電話口で料金を聞かれた場合は「現場を見させていただかないと明確な金額は算出できません」とお伝えしましょう。
作業料金を確定する時は、必ず現場の状況を見てから決めることが鉄則です。
見積もりに慣れていないと、思った以上にコストと時間がかかり、結果的に作業料金と合わないこともあるでしょう。その場合、料金を勝手にあげてはいけません。
お客さまは見積もり金額に納得した上で作業を依頼しているので、請求金額が上がっていたらトラブルの原因になります。
料金が上がる可能性がある現場は事前にその旨を伝えておき、実際に追加料金がかかる場合はまずお客さまに相談しましょう。
お客さまとの信頼関係に直結するので、見積もり金額は慎重に計算しましょう。
便利屋をしていると少なからず「もうちょっと安くならない?」などと、値下げ交渉をされることがあります。
困っているお客さまを目の前にすると感情が働き、少しぐらいは値下げしようかな。と思うこともあるでしょう。
ただ、あっさりと値下げに応じてしまうと「最初からその値段でできたのでは?」「次も安く作業してもらおう」などと思われることもあります。
そうなると、適当に見積もり算出する便利屋と思われたり、いただくべき料金を得られなくなり収益が落ちたりするデメリットにつながります。
値下げはあくまでもお客さまの都合なので、良い関係を続けていくためにも対等な立場を維持するのが大切です。
作業料金が他社より高くなる場合は、付加価値をつけることがおすすめです。
作業の関係上、大手の便利屋より作業料金が高額になる場合もあるでしょう。そのような時は、保証サービスをつけたり無料のアフターケアをつけたりなどの付加価値がおすすめです。
安く作業してくれる便利屋は一見すると魅力的ですが、ネット上には悪い便利屋に当たってしまったといった口コミもちらほらあるため、安心感を提供する意味でも付加価値をつけるのもおすすめです。
安売りを続けると便利屋としての存続に関わるため注意が必要です。
競合との差別化ポイントとして簡単にできるのが、作業料金を他社より安くすることです。
安さだけを求めているお客さまは、リピーターにならない傾向があるので、便利屋泣かせといっても過言ではありません。
どれほど頑張っても儲からず、便利屋としての存続に関わるため、安さをウリにする経営は気をつけましょう。また、料金だけを気にする方や過度な値下げ交渉をする方には、お断りすることも時には必要です。
便利屋を続けていくために料金設定は重要
ここまで便利屋の料金設定について解説しました。
便利屋の作業料金に相場はあるものの、決まった料金設定はないため、便利屋が自由に決めることになります。
ただ、便利屋は無数に存在しているため、見積もりを比較しようとすると簡単にできてしまいます。そのため、お客さまの中には複数の便利屋から見積もりを取っていることも考えられるでしょう。
開業当初は仕事が欲しいからと、他社には負けないぐらい安い料金を設定することもありますが、結果的に自分自身を苦しめることになるので注意が必要です。
お客さまが満足してくれる仕事をこなしていれば、それなりの金額をいただくことはむしろ普通のことです。
便利屋として収益をあげるには、前向きに自信を持った仕事が重要になります。
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