便利屋とは買い物代行や掃除、家具の運搬など日常のお困りごとを解決するお仕事です。
高齢化や共働き世代の増加により、日常生活のフォローを便利屋に依頼する人は増えています。
大半は日常の困りごと解決が仕事になるため、特別なスキルや経験がなくてもはじめられる人気のお仕事です。
今回は達成感ややりがいを感じる便利屋事業について、開業ための知識や必要な資格などをステップごとにわかりやすく解説しております。これから便利屋をはじめたいと検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
1 便利屋の開業方法を選ぶ
便利屋開業は、個人事業主あるいは法人化といったすべて自分で開業する方法と、便利屋フランチャイズに加盟して知識やノウハウ、企業のブランドを借りて開業する方法があります。
それぞれの特徴やメリットについて解説していきます。
関連記事:【便利屋開業の流れ】必要な手続きと初期費用を解説!個人事業とフランチャイズ開業の違いとは
個人開業とは、個人事業主または法人化して開業するケースです。個人開業の大きなメリットは開業資金が最低限で抑えられて、経営方針も自分で決められることです。
そのため、縛りもなく好きなように事業を展開できます。ただし、開業準備や事業継続、広告運用や集客などはすべて自分で行う必要があります。
組織化して社内で業務分担することも可能ですが、同時に利益を出す必要があるため、資金繰りには注意が必要です。開業準備に時間がかかったり、事業を軌道にのせるまでコストがかかったりすることがデメリットです。
便利屋フランチャイズとは、すでに便利屋として事業展開している企業に加盟させてもらう方法です。
便利屋として名前を出している企業のため、技術研修で知識を得たり企業のロゴを身につけて集客したりできます。便利屋が初めての方でも開業から事業継続をフォローしてくれるため、個人開業よりも早い段階で利益を生み出す可能性があります。
ただし、フランチャイズに加盟するには多額の資金が必要で、毎月の手数料としてロイヤリティも納めなければいけません。また、契約期間も数年に及ぶこともあり、縛りを感じてしまうこともあるでしょう。
こちらは余談ですが、便利屋開業に不安があるなら便利屋に就職したりアルバイトをしたりなど、下積み経験をしてみるのも有効です。
何もわからず飛び込んでみて仕事をしてみたら、イメージとは違ったといったことも考えられるでしょう。
個人開業やフランチャイズは初期投資を投入するため、後戻りできない可能性もあります。そのような事態を防ぐためにも、まずはアルバイトを経験したり就職してみたりも良いでしょう。中には副業で便利屋にチャレンジしている方もいるので、本業を担保しつつ体験してみても良いかもしれません。
関連記事:便利屋を副業にするのは可能?仕事内容や稼げる金額、届け出などを解説
「便利屋開業に興味はあるけれど時間がない」「いきなり飛び込む前に知識を身につけたい」と思うこともあるでしょう。
その場合、まずは市区町村にある商工会に相談しても良いでしょう。現在抱えている悩みや事業計画書の作成サポートもやってくれます。また、起業向けのセミナーや交流会も定期的に開催しているので、開業前のヒントとして利用しても良いでしょう。
そのほか、本サイトでは現役の便利屋による無料相談も受け付けているので、そちらもぜひ活用してみてはいかがでしょうか。
関連記事:便利屋開業はどこに相談すればいい?無料相談できる場所や開業に必要な資格とは
2 フランチャイズ開業なら複数で比較する
便利屋開業が初めての方やビジネスをやったことがない方の多くは、便利屋フランチャイズを検討する方が多いものです。その際、比較するべきポイントは以下になります。
現在はさまざまな便利屋フランチャイズが誕生しており、未経験の方でも実績を出す方も多いようです。ただし、フランチャイズによっては初期費用や特徴が異なるため、ひとつのフランチャイズにこだわらず、全体で比較検討することをおすすめしています。
以下では、大手便利屋フランチャイズをまとめてありますので、ぜひ参考にしてみてください。
関連記事:【便利屋フランチャイズオススメ6選】必要資金やサポート体制を徹底比較!
初期費用は高額であるものの、たくさんのメリットを感じるフランチャイズですが、実は失敗をまねく原因はあちらこちらにあるものです。
上記にあるように、フランチャイズに加盟したとはいえ、必ずしもうまくいくことはありません。加盟して店舗を持った以上はあなたがオーナーとなるため、便利屋としての舵取りをするのです。以下ではフランチャイズ開業で失敗する原因や失敗を避ける方法を紹介しています。
関連記事:便利屋フランチャイズで失敗する原因とは?失敗する人と成功する人の特徴を解説します
3 便利屋開業に必要な資格とは
便利屋を開業するには特別な資格がなくてもはじめられます。しかし、業務によっては公的資格を保有していないと違反になるため、注意が必要です。
移動や荷物の運搬に必要な自動車免許はもちろん、不用品の売買や引越し作業を行う際にも資格は必要です。また、作業に適した資格をいくつか保有していることで仕事の幅が広がるでしょう。
以下では、便利屋開業で持っておくと安心な資格について解説していきます。
関連記事:便利屋開業するなら資格は必要?持っておくと便利な資格も紹介!
古物商とは不用品売買をする際に必要な資格です。
便利屋の仕事でよくある不用品処分、不用品の中にはリサイクルできたりお客様から買取を依頼されたりすることがあります。その際、不用品をお金に代えられる資格が古物商なのです。
便利屋事業をするには持っておくと役立つ資格なので、早めに取得をすると良いでしょう。万が一、古物商を持っていない状態で売買をすると3年以下の懲役、または100万円以下の罰金に科されるため注意が必要です。
廃棄物収集運搬とは、処分するごみを収集してトラックなどで運搬する資格のことを指します。
種類は主に「一般」と「産業」にわかれており、便利屋は「産業廃棄物収集運搬」の資格取得が一般的です。
産業廃棄物とは業者からでたごみのことで、建材や紙ごみ、鉄などの不用品処分に役立ちます。これらのごみを適切に処分するために発行されるのが廃棄物収集運搬なのです。
取得には講習を受ける必要があり、姿勢は各都道府県の環境局が窓口になります。
一般貨物自動車運送業とは、トラックを使い商品を運搬する際に必要な資格です。とくに活躍できるのが「引越し」依頼です。
引越しシーズンになると、大手引越し業者で予約ができなかった方から引越し依頼が舞い込みます。その際、トラックで荷物を運搬し、作業料をいただくために必要となるのです。
取得は管轄する運輸局となり、審査の許可がおりたら発行されます。引越しや家具運搬などの作業を検討している方は、ぜひ取得を目指しましょう。
4 便利屋の仕事の取り方
便利屋事業を継続させるには、常にお仕事がある状態でなければいけません。
そのため、集客が必要になります。集客方法もさまざまで、定番の折り込みチラシやポスティング、ホームページやSNSなど多岐にわたります。
そこで大切となるのが、自社の強みの明確化とお客様を決めておくことです。対象としているお客様が高齢の方であれば、SNSよりチラシやポスティング集客の方が良いかもしれません。
また、自社の強みや得意がわかっていれば質の高いサービスが提供できるため、他社に負けることもないでしょう。
便利屋の集客方法はさまざまなので、目指すべきお客様を明確にしてからいろいろと試行錯誤してみましょう。
詳しい集客については、以下に情報が掲載されています。
関連記事:【便利屋開業に必要な集客方法】事業を軌道に乗せる集客アイディア15選!
便利屋事業は今や高齢者のサポートには欠かせません。なぜなら、介護保険外の困りごとが多かったり、頻繁に遠出ができず病院通いに困っていたり、ちょっとした力仕事ができずにいたりなど需要が多いためです。
実際に一人暮らしの高齢者で、家の中の生活行動で困っていると感じている割合は、全体の41.7%を占めるといった統計もあります。
そのため、今後さらに進む高齢化社会にとって便利屋は、大いに活躍できると言っても過言ではありません。
関連記事:高齢者向け便利屋開業で独立!需要が拡大中の仕事や開業方法を解説
5 開業後の運営管理
便利屋開業が無事に完了し、これから仕事をたくさんこなしていく上で気をつけたいのが、開業後の運営管理です。
自営業となる便利屋は、好きな時間に自由に働けると感じている方も多いようですが、実はその考えには危険が潜んでいます。
実際に便利屋はお客様都合で動くことが多いため、作業中に急ぎの別案件が入ることや休日にお客様から電話が入ることもあります。
つまり、会社員とは違い常に流動的な働き方になるのです。その反面、休みたい時に休めるメリットはありますが、予定通りにスケジュールが進むのは稀であると考えても良いでしょう。
脱サラして便利屋になれば自由な時間で働けると思いきや、実は時間通りにいかないことが普通です。
便利屋のスケジュールについては以下で詳しく解説しております。
関連記事:便利屋を開業したら自由に働ける?開業後の休日や労働時間や現実を紹介
便利屋開業をしたら、そもそも儲かるものなのかも気になるものです。
便利屋は自営業になるため、給料制ではありません。そのため、作業量によって月の売り上げが決まってきます。
中には月の売り上げが100万円を維持し続けたり、定年退職後に便利屋をはじめたら年収が1,000万円を超えたりなど、やり方によっては稼げる仕事です。
ただし、比較的参入しやすい分野であるため、ライバルが多いのも事実です。稼げそうだからと安易に参入すると、あっという間に廃業に追い込まれることもあるため、注意しましょう。
便利屋事業の平均年収については以下をご覧ください。
関連記事:【便利屋は儲かる?】便利屋の平均年収や儲かるコツを紹介!失敗を避ける注意点も解説します
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